尾道市北部の御調町における、老朽化した文化会館の建替え計画。
敷地は国道交差点の角に位置し、周囲には道の駅や銀行、郵便局など、日常の生活機能が集まっている。誰もがふらりと立ち寄れるこの場所に、御調の豊かな地域文化を「共に育て、享受する場所」が生まれることを目指している。
建物中央には十字型の多目的スペースを配置。四方向に伸びる枝状の空間は間仕切りによって分割が可能で、規模や用途に応じて使い方を柔軟に切り替えることができる。南北の広場と連続して活用できる構成とし、内外に活動が広がるよう計画した。
屋外には、芝生広場、屋根付きの半屋外広場、車両乗り入れが可能な舗装広場と、性格の異なる三つの広場を設けた。天候や季節、利用者の目的に応じて、屋内外をまたいだ多様な活動が展開されることを想定している。
建物の入口は隣接する御調支所の出入口近くに設け、施設間の連携が取りやすい動線とした。半屋外広場を挟んで配置した小会議室は、キッチンを備えた別棟とし、支所の機能補完やイベント時の控室、小規模な催しにも対応しやすい形式としている。
また、トイレは屋根付き広場にも出入口を設け、文化会館の開館時間外でも利用可能とした。周辺敷地に不足していたアメニティ機能を補うことで、いつでも使える開かれた公共空間として、文化会館全体がにぎわいを生む風景の一部となることを目指している。完成予定は2029年3月。
意匠設計:カイトアーキテクツ、中西ひろむ建築設計事務所、プフ設計
構造設計:金箱構造設計事務所
設備設計:谷端設備設計事務所
ランドスケープデザイン:KLDO
サイン:hokkyok