• ヒロセ氏の部屋 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    ヒロセ氏の部屋 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    公園に暮らすヒロセ氏は、自作の小屋を家ではなく「部屋」と呼んでいた。
    それは公園の中の一部として存在し、彼にとっての「家」は公園という領域全体であった。

  • 空き缶蒐集家の荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    空き缶蒐集家の荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    小分けにされた袋の中には、潰されているもの、潰さずに原型を留めているもの、汚れているもの等、さまざまな状態の空き缶が整然と収納されている。それらは荷段ボールに包まれ、さらに様々な種類のゴム紐で固定され、つぎのまちへと運ばれてゆく。

  • 空き缶蒐集家の荷台・二 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    空き缶蒐集家の荷台・二 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    大きなゴミ袋3つ。空き缶はほぼ満杯の状態で収納されている。ゆうに荷台の平面からはみ出しているが、四周から段ボール板を当てがい、幅の広いゴムバンドで一緒くたにギュッとまとめている。持ち物すべてのいまこの瞬間における容量により均衡がとれている状態。

  • 時間厳守人の荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    時間厳守人の荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    ハンドルがない代わりに荷台の角隅に細いポールが1本ずつ差さっている。360°移動に対応するキャスターにより、重量物を載せても方向転換が容易にできるため、重い拾いものも躊躇なくできるとのこと。
    荷物の上には段ボールをつぎはぎしてつくった小さな箱がしっかり固定されており、中には目覚まし時計が大切にしまわれている。日雇い仕事の集合場所に遅刻することはできないため、目覚まし時計はライフラインである。

  • 新陳代謝する荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    新陳代謝する荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    整然と積まれている状態のよい段ボール板。雨に濡れないようにプラスチック製のシートで包まれている。
    長く使用したものは捨て、なるべく新しいものを集めてはストックしておくとのこと。重ねてぶら下げられている紙袋は、古いものをいれる袋、新しいものを入れる袋と、明確に分けられていた。

  • 神経質な人の荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    神経質な人の荷台 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    プラスチック製のシートに包まれた美しい立方体が荷台に載っている。それは何重にも包まれ、一見すると中身の正体に全く想像が及ばない。雨の日に持ち物が濡れることが何よりも困るとのこと。定まった寝床を持たない主は、寝床の段ボールや布団が濡れないように厳重にパッキングしていた。

  • 生活の束 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    生活の束 (2016) / 修士制作「空間文体練習」のためのスケッチ

    荷台を持たないホームレスの荷物の様子。生活必需品を詰めこんだ袋を束にし、どこにでも持ち運ぶ。
    荷台は建物の中に持ち込むことができない、盗難を恐れて安心して停めておくことができない、とのこと。必要最低限の所有物を持ち運べる方が気が楽ということだった。

  • 山の麓に建つ家のエントランス-1 (2015) / リヒテンシュタイン留学時のスケッチ

    山の麓に建つ家のエントランス-1 (2015) / リヒテンシュタイン留学時のスケッチ

    エントランスとポーチに滲み出る生活の様子が、山への眺望にと呼応しているように感じ、走り書きしたスケッチ。植栽の置き方、屋根の高さや山の眺望との関係から設えられるベンチの位置など、一つ一つの要素とそれらの関係性をドローイングによって詳らかにするための練習。

  • 山の麓に建つ家のエントランス-1 (2015) / リヒテンシュタイン留学時のスケッチ

    山の麓に建つ家のエントランス-1 (2015) / リヒテンシュタイン留学時のスケッチ

    エントランスとポーチに滲み出る生活の様子が、山への眺望にと呼応しているように感じ、走り書きしたスケッチ。エントランスへ至る動線の位置や向き、事後的に付け加えられた生活に必要な道具の位置など、一つ一つの要素とそれらの関係性をドローイングによって詳らかにするための練習。

  • 茶立玄山手のサービスエリアのドローイング (2023)

    茶立玄山手のサービスエリアのドローイング (2023)

    キッチン内に凝縮された、什器や道具類の動線をまとめた。
    空間を構成する家具や提供するための什器や道具は、各々固有の由来を持ちながらこの場所で絶えず循環している。描ききれていない循環の領域を想像するためのドローイング。

  • 立花の家の土間のドローイング(2024)

    立花の家の土間のドローイング(2024)

    半公共的な役割をもつ土間空間における、人や物の動線をまとめた。
    家の中の人の動線、家を中継地としてより広い領域で循環する物の動線を重ねることで、その交差点にどのような人の営みが生まれるのかを想像するためのドローイング。

  • Tokoname Diagram 常滑の資源のフロー図 (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    Tokoname Diagram 常滑の資源のフロー図 (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    変成岩による粘性土がつくり出した緩やかな傾斜の土地として生まれた常滑。丘の雑木林は窯業を維持するための十分な燃料として重宝し、緩やかな丘陵地という地形に適応して次第に連房登窯が発達した。登窯の普及により大量の大型製品の焼成が可能になり、製品は常滑港から廻船によって日本各地に流通した。また製造過程で発生したB級品は土留めや塀の材料として地元に還元された。

  • Tokoname Narrative-1常滑焼の土管を用いた公衆浴場 (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    Tokoname Narrative-1常滑焼の土管を用いた公衆浴場 (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    もしもコンクリートが流通しなかった場合、土管が主要構造部の構成材料として台頭している可能性を想像し、基礎や壁、設備配管が一体となった土管作りの建物の例を描いた。壁体の土管内に暖気を送り温めることで、その保温性を利用し壁体自体が熱源となる建物。土管は明治時代より常滑の産業を支える主力製品であり、常滑のまちなかでもインフラ整備という本来の役割のみならず、さまざまに使用されている。

  • Tokoname Narrative-2 常滑焼の土管を用いた建物 (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    Tokoname Narrative-2 常滑焼の土管を用いた建物 (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    もしも金属やプラスチック等の素材が流通しなかった場合、常滑や瀬戸では建築のニ次部材が焼き物で作られるかもしれない。私たちがよく見かける軒先の雨樋は、その重みから屋根ではなく地上に設置され、軒は低く深くなるかもしれない。基礎として利用される土管は鋼管杭やコンクリート杭の代替となり、年度室の比較的ゆるい常滑の土地にも適応するかもしれない。

  • Tokoname Narrative-3 瀬戸焼を用いた雨樋と風呂まわり (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    Tokoname Narrative-3 瀬戸焼を用いた雨樋と風呂まわり (2025) / 住宅特集2025年2月号巻頭エッセイのためのドローイング

    もしも金属やプラスチック等の素材が流通しなかった場合、瀬戸では焼き物でその代替品が作られるかもしれない。お椀のような部材は縦樋に接続する集水器としての役割を担いつつ、陽の光を柔らかく等かさせるトップライトとしても機能する。耐水性にトム仕上げ材で一様に空間を仕上げた場合、そもそも水回りとそれ以外といった領域の違いはなくなり、住空間はすべての空間を一体的に作ることができるかもしれない。

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